アプリでは脂質量の過不足をどのようにして求めているのでしょうか

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アプリの機能としては、ケトン指標の目標値に到達するために必要な脂質量の過不足を表示できるようにしています。独自の計算式を利用しているわけではなく、ケトン指標の算出式を変形して求めています。ケトン食関連の書籍にはそのような式の扱い方は登場しないため、本記事ではその算出の仕方について紹介します。

なぜ機能が必要だったのか

算出の仕方について紹介する前に少しだけ、機能の役割や目的について触れておきます。たとえば、このような場面はないでしょうか

このレシピ美味しそう

ケトン指数もう少し高かったら作れたのにな

必要な値に近づけるにはどう料理を調整したらいいんだろう

他で高めにしたら問題ないかもしれないけど…

自分で調整するのはまだ不安だな


慣れてくればこうした悩みはいくらか解消されてくるかもしれませんが、それでもなるべく値を把握した上で調整したいという希望はあると思います。アプリで解決しようと考えたのはこのような場面です。

私たち管理栄養士に質問されたとして、食材の量や種類や組み合わせ全てについてはその場でお答えできない可能性があります。知りたいと思っても、量を変えたときにどうなるかを対面でもメールや電話でも都度確認取ることは現実的ではないかもしれません。それに、本来であれば自分で知りたいときに知ることができるようになりたいところですよね。

こうした問題に対して、iOSアプリ「KetoCalculator」は脂質の量の調整(過不足)を図ることで解決しようとします。後述するように炭水化物やたんぱく質で調整を図ることは脂質の量の調整に比べてとても難しくなります。一方で脂質に関しては、油脂、例えばサラダ油やMCTオイル、バターなどで調整することが比較的容易です。

もちろん、限界はあります。油脂だけをたくさん足すようでは料理にはなりにくいからです。けれど、極端に目標としている値から外れたレシピでなければ、いくらか油脂を足したり引いたりすることで十分な場合もあるのではないかと思います。

こうした理由から機能が必要であると考えました。

ケトン指標の算出式

では実際にどのように脂質量の過不足を算出しているのでしょうか。そのために、まずはケトン指標の算出について確認しましょう。

ケトン比
脂質 / (たんぱく質 + 炭水化物)

ケトン指数
(0.9✖️脂質 + 0.46✖️たんぱく質) / (炭水化物 + 0.1✖️脂質 + 0.58✖️たんぱく質)

ケトン値
(0.9✖️脂質 + 0.46✖️たんぱく質) / (糖質 + 0.1✖️脂質 + 0.58✖️たんぱく質)

これらが各指標の計算式です。栄養素の値を当てはめれば、指標が求められます。

ただし、適当に入力した値で目標値通りになることはめったにないと思います。指標を上げようと思えば分子を大きくするか分母を小さくします。また下げるにはその逆の操作が必要です。

目標値に対する脂質量の過不足を求める

結論から言うと、これは中学校で学んでいた連結方程式で求められます。

たとえば、ケトン指数で考えてみましょう。前提としてたんぱく質、脂質、炭水化物の重量が次のようにわかっているとします。

たんぱく質 5g
脂質A 10g
炭水化物 5g
ケトン指数 未知

目標値を3.0として、上記の重量で求められたケトン指数は2.5でした。もし、目標値3.0に近づけようとしたら、脂質の量をどれくらい足す必要があるでしょうか。

このように考えた場合、たんぱく質と炭水化物の重量は据え置きであるため、目標値3.0の場合の脂質の量のみを未知数として計算式を変形すればよいことになります。つまり、表はこのようになります。

たんぱく質 5g
脂質B 未知
炭水化物 5g
ケトン指数 3.0

未知数がひとつだけなので、値が求められます。実際に、脂質量を求めるように式を変形すると次のようになります。

脂質B = (0.46 × たんぱく質 – 目標値 × (炭水化物+ 0.58 × たんぱく質)) / ( 0.1 × 目標値 – 0.9)

これが目標値の際の脂質量の算出式です。知りたいのは、現在のケトン指数2.5の際の脂質の量に対して、どれだけ足せば3.0になるかということであるので、最終的にはそれぞれの脂質量の差を求めます。

脂質量の過不足 = 脂質B ー 脂質A

流れを追ってきてわかったように、決して独自に計算式を作っているわけではなくて、元々の式に対して未知数を設定し直して求め直しているだけなんですね。

脂質の量だけでしか調整が効かないという限界はあるため、必要に応じて関わりのある管理栄養士にご相談していただく必要はありますが、確認したい場合や少しの調整であれば使える場面も出てくるのではないかと思います。

また普段Excel等の表計算ソフトを利用されている場合には、上記のような計算式を埋め込んでおかれても良いかもしれません。

なぜ脂質の量のみの調整であるのか

この部分に関しては、もう少しだけ詳しく書いておきます。

ケトン食の難しい部分のひとつは栄養素の量が異なれば指標の値が変わってくるところです。炭水化物が少し増えただけで指標が大きく変わります。そして大抵の食材は一つの栄養素だけでなく、たんぱく質も脂質も炭水化物(また糖質)も含まれています。

指標の値を上げるために、炭水化物を減らそうとしても、食材をどれくらい減らせばいいかを決めるのはとても大変です。例えば砂糖であれば、炭水化物そのものとして考えられるので減らせばよいわけですが、ケトン食において砂糖の使用量はあったとしてもごく僅かであまり意味がありません。

通常は食材を減らそうとすると、たんぱく質も脂質も含まれているため、指標の値が思うように変化しません。また、食材の重量は料理を成り立たせるために重要であり、いろんな要素を考慮していくと計算が非常に複雑になります。結果的に計算によって指標を逐一確認して、ちょうどいい量を探っていくしかなくなります。

一方で脂質であればある程度可能です。ケトン指標に影響を与えるものとしては、単体として最も調整しやすい栄養素です。利用している油脂、たとえばサラダ油やMCTオイル、バターですが、これらはほぼ脂質として考えることができるからです。料理に足せば値を上げ、減らせば下げることができます。

このような理由から、脂質量のみの調整となっています。

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